戦争とは何か



























【戦争とは何か】

  戦後72年を迎えます。
  映画「この世界の片隅に」を観た感想です。
 正直、衝撃だったので、観た後、倒れそうなくらいだったのです。
 私は、戦後の生まれで戦争を知りませんけど、自分の人生の中で同調できる部分があったので、余計に衝撃を受けたのだと思います。他人事ではなく・・。
 この映画の感想です。
 戦争とは何か、を教えてくれました。
 自分の愛する人、居場所、大事だった夢、生きていく希望・・何もかもが奪われる。それが、戦争だと思いました。
 そして、どれだけ奪われても、誰も責任を取ってくれないのです。
 誰にも訴えられない悔しさ。この苦しさは、誰に訴えればいいのか、なぜ大事なものを奪われたのか、愛する人は、いったい何のために死んでいったのか全く分からない・・・。そんな人々の想いに、倒れそうなくらいの衝撃を受ける映画です。
 100年先より、永遠に伝えてほしい映画でした。

ー原爆と広島ー
 20代の頃、本州の広島県に住んでいました。私が住んでいたアパートの隣には、かなり高齢の老夫婦が、ふたり暮らしをしていました。
 おばあさんは、もう高齢で目が見えず、おじいさんと、何とか二人で支えあって生きていました。動物が好きで、よく私の愛玩犬を連れて行っては、大変、喜び、心の優しい老夫婦でした。

 何度も通っているうちに、ある日、こんな話を老夫婦から聞かされました。
 原爆が投下された8月6日、この老夫婦も広島に住んでいたそうです。被爆地からは、少し離れた地点にいたため、一命をとりとめたものの、当時、中学生だった息子さんは、被爆の影響で、後遺症に苦しんだという話です。

 毎日、頭が痛い!と転げまわっていましたが、不幸にも、国が定めた支援の適応外地域にいたため、医療の支援を受けれなかったというのです。
 その息子さんは、こう遺書を書き残し、自殺したそうです。

 「お父さん、お母さん、ぼくは、頭の痛みが取れません。なので、勉強もできず、大人になっても、まともな職にも就けない。だから、死を選びます」。両親に、そう遺書を書いて、自殺したそうです。

 この老夫婦は、70年の間、どんな想いで生きてきたのでしょう。
 多くを語ることのない、老夫婦のひとつの物語は、全く別の時代を生きる現代の自分たちと、決して無縁ではない気がしたのです。
 
 どれだけ時代が変わろうと、どんな境遇で生まれ育ったとしても、社会は静謐であってもらいたい。多くの人々の願いです。

                                                  文:羽馬 千恵